本日はご来場くださって本当にありがとうございました。みなさん、今日の舞台は楽しかったですか？ぼくはとっても楽しかったです（＾－＾）。もちろん、楽しいだけの作品ではないので、役のぼくは最後に大泣きしてましたけど（笑）、ぼく自身の気持ちとしては、うん、やっぱりとっても、とっても、幸せです。本当にありがとうございました。
ミュージカルの舞台で座長の挨拶って、普通はあんまりないことかもしれませんけど（笑）、今日だけ、少しお話をさせてください。まずはじめに、みなさんのおかげで、初めての座長公演、無事に千秋楽を迎えることができました。初めての経験なので、ぼくには珍しく（笑）不安や緊張もありましたが、みなさんの、声援、拍手、笑顔に触れていると、ぐんぐん力が湧いてきて、ここまで駆け抜けることができました。ほっんとに、うれしかったです！ありがとうございました！
舞台を重ねるごとに、もっとできたんじゃないか、もっと練習しなくちゃ、座長としてみんなをひっぱらないと！などなど、思うことがいろいろ出てきて、自分の力のなさに愕然とすることもありました。けれど、今の自分にできることを全力で出し尽くした、という意味では、みなさんがくださったたくさんのお力にふさわしいだけのお返しができたと、胸を張って言えます（＾－＾）。
「好き」という気持ちだけで入ったステージの世界です。初めは何をしても楽しくて、練習するのも、スポットライトを浴びるのも、キャーキャー言ってもらうのも、全部がうれしくて、今思い出してもあの頃のぼくは、輝いてたなぁ。まぁ、今でも輝いてるけどね（笑）。
でも、この世界での時間が経つにつれて、いい経験も本当にたくさんさせてもらいましたが、怪我をして思うように踊れなくなってしまったり、周りから求められるイメージに戸惑ってしまったり、まさかと思うような噂が流れたりと、乗り越えるべき壁がいくつもありました。そんなぼくにやきもきしたことを思い出すなぁ、なんていう、長く応援してきてくださった方もここにいらっしゃるかもしれませんね（苦笑）。
でも、ぼくはそのとき、自分の気持ちや思いを説明することよりも、ぼくの仕事を見て聴いてもらうことこそが、ぼくのすべきことだと考えました。今もその気持ちは変わっていません。ただ、舞台に立つ人の多くは、ぼくと同じような山と谷を乗り越えてきているようで、今回ぼくがやらせていただいたミュージカルの定番とも言えるこの作品には、そんな舞台に立つ人間の気持ちが、はっきりと、生々しいまでに歌われています。ぼくはこの舞台をやり抜くことで、ぼくの思いをみなさん伝えようと思いました。少しでも何かが伝わっているとうれしいです。
そして、ダンスや音楽が好きな一人の少年が、舞台に立つ仕事につき、ミュージカルスターとして喝采を浴び、挫折を知り、波乱の人生を送り、最期を迎えるまでを描くこの作品で、初座長をつとめさせていただくと決まったとき、ぼくはぼくの人生を見渡したような気がして、怖さを感じたとともに、何かとても強いパワーが身体の底から湧いてくるのを感じました。もちろん今までも全身全霊で舞台に立ってきましたが、この作品の主人公のように、「舞台で生きていく」という覚悟でこれからを生きていく、「使命」を実感した瞬間だったのだと思います。何があっても、ひとたびステージに立てばキラキラと輝き、魅了し、お客様を作品の世界に連れて行ける。そんな力を持った舞台人として、これから生きていくことを、ここに誓います。
この誓いがみなさんにどのくらい伝わるかはわかりませんが、これが今のぼくに言えるすべてです。ぼくはこれからも舞台に立ち続けます。昼も夜も。雨の日も晴れの日も。悲しいときもうれしいときも。どんなときも、ぼくはここにいます。笑顔で、ここにいます。その誓いを胸に、最後にもう一度、ぼくと、ぼくと一緒に舞台に立ってくれたキャスト、そして一緒に舞台を作ってくれたスタッフ、みんなの思いがこもった、この作品のテーマ曲を歌わせてください。本日は、本当にありがとうございました！！！！
光を浴び 歌い踊る人たち
見つけた 未来はここにある
はじめての競争 怖じ気づく気持ち
諦めたら終わりだよ 胸に刺さった
運命を信じよう 未来を信じよう 自分を信じよう
ぼくはぼくの足と意思で 前へ進む
歓声を浴び もてはやされるぼく
怖いものなんて何もない
拍手 花束 舞い上がる気持ち
でも続かなかった 怪我が待ってた
運命ってなに？ 未来なんてあるの？ がんばったのに
ぼくはぼくの足とタイミング（とき）に 涙する
励ましを受け 追いかけるぼく
ぐぐぐ 力がみなぎるのを感じる
久しぶりの舞台 涙があふれた
ここで生きていく そう誓った
運命を信じよう 未来を信じよう 自分を信じよう
ぼくはぼくの足と意思で ここに進む
追い風が吹き 光の下に立つ
チチチ 毎日が分刻み秒刻み
歓声と拍手 でも磨り減る思い
埋めようとする距離が なぜ縮まらない
自分ってなに？ 仕事ってなに？ 答えが出ない
ぼくはぼくの意思と夢が わからない
のみこまれる 追い詰められる
立ち向かう 押し戻される
巻き込まれる のたうちまわる
抗う 諦める 作り笑い
悩む 諦める 繰り返す
探る 考える 繰り返す
止まる 見つめる 耳を澄ます
感じる 力が湧く 前を向く
何が聞こえる？ きみの歓声が！
何が見える？ きみの笑顔が！
ぼくはぼくだけの 道を歩く
ぼくはぼくだけの 未来を選ぶ
その先にきみがいることを願いながら
ぼくはぼくの足と意思で 未来へ進む
ぼくはきみに 夢を贈りたい
ぼくはきみに 笑顔を贈りたい
その先に大きな幸せがあることを信じて
ぼくはぼくの足と意思で ここに立つ
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